『江戸川MB大賞を終えて』

 11月3日〜8日まで行われたMB大賞は、私にとってピットマンとして初めての記念レースでした。緊張と不安もありましたが、とてもいい勉強になりました。優勝した中村有裕は、前検日、たまたま最初に取材した選手でした。エンジンのことを聞かれたので「勝率はないけど、乗りやすさはあるエンジンですよ」と言ってあげたら「僕のペラは出足型ですから、ちょうどいいかもしれませんね」と語ってくれた。初日2レース(抜いて3着)に出場したあとの取材では「確かに乗りやすいですね。でもかかりがもっと欲しいからペラを調整しないといけませんね」とポイントをあげたが、日増しにペラもマッチして、準優勝戦の日には控室で「あとは試運転をするだけです」と余裕があった。ものすごく落ち着いていたが、気合を感じました。準優勝戦でも難なく押し切って抽選で@号艇を手にした。優出インタビューでは「自分が失敗しなければ勝てます」と緊張した面もちで語るも、アシには自信があった。いい緊張感が優勝につながった。優勝インタビューでは「新鋭王座の優勝戦で悔しい思いをしたので、ここでは勝ちたかった」と本当に嬉しそうでした。

 三重の85期生、井口佳典と高沖健太が初日から目立つ存在だった。特にダービー明けでエンジンも抜群だった井口が脚光を浴びていましたが、私は高沖の方が江戸川に適した走りをして、実にソツがないと感じました。確かに1マークの攻めや豪快さでは井口ですが、粘り強いというか道中をしっかり走る姿は高沖の方が良く見えました。最終日の新聞でも取り上げましたが、13回目の記念で準優進出が8回という記録が彼の走りを物語っていると思います。この二人を例えると60期の上瀧と烏野をイメージしてしまいます。二人とも彼らのように大きな存在になることを願っています。

 さて地元では熊谷直樹が優出と頑張りましたが、若手が苦戦していました。作間章が「記念ではもっと整備力がないとダメですね」と語っていたが、整備の巧い選手はキッチリ仕上げてきているところが記念レースだと思いました。濱野谷憲吾も未勝利で終わるとは誰が思ったでしょう。地元開催の記念レースでは、なんとかブレイクしてもらいたい気持ちは私だけではないと思います。来年も江戸川では2度のGT開催(周年・MB大賞)が予定されています。地元選手の奮起に期待したいですね。

江戸川MB大賞優勝戦結果
中村 有裕
滋賀・84期生
現勝率 7.60
優勝戦 11月9日
選手名 コース ST
1着 中村 有裕 12
2着 熊谷 直樹 08
3着 山崎 智也 13
4着 寺田  祥 20
5着 一宮 稔弘 15
6着 高沖 健太 15
2連単  1−4 ¥ 710
3連単  1−4−3 ¥2,170

あっせん情報
11/22〜11/27  常滑 一般戦 一般競走
12/6〜12/11  三国 GT モーターボート大賞