江戸川競艇場の水面特徴2
2009年6月29日

 江戸川競艇場は08年2月から、護岸工事の影響で一時休止され今年6月、約1年4か月ぶりに本場でのレースが再開された。レースコースにおいては、工事の影響で1マーク側のバックが85.9mから81.1mに、2マーク側バックは55.7mから50.4mに変わり、スタート展示・周回展示出走ピット、本番レース出走ピットの位置も変更された。
 では実際のレースでどう変化が現れたのか再開前の07年6月(全180R)と今年6月(全192R)を比較してみた。
・07年6月(全180R)の決まり手
逃げ64勝 差し29勝 捲り28勝 捲り差し16勝 抜き40勝 恵まれ3勝
・09年6月(全192R)の決まり手
逃げ71勝 差し26勝 捲り39勝 捲り差し19勝 抜き33勝 恵まれ4勝
(以前決まり手で表記されていたつけまいは、まくりでカウント)

・07年6月(全180R)コース別1着数
1コース67回 2コース39回 3コース27回 4コース18回 5コース20回 6コース9回
・09年6月(全192R)コース別1着数
1コース80回 2コース36回 3コース28回 4コース29回 5コース14回 6コース5回

 1コースの単勝率は07年6月時で37%、09年6月時は41%とイン有利の傾向は根強い。だが、3・4コースの1着数増加とともに、センターからのまくり、まくり差しが決まることが多く見られた。実際、本場が再開された6月の潮回りは上げ潮(2Mから1M)でのレースが多かったし、この時期の風は南向き(ホーム追い風)で、イン有利の条件が揃っていたのだが…。

 続いてエンジンだが、その差が顕著に表れたのが上がりタイムである。再開前の07年6月1節目は『GT開設52周年』が行われたが、このシリーズでの最高タイムが濱野谷憲吾の1:47:3。6月2節目は三宅潤の1:48:4。3節目は伊藤宏の1:49:5。
これに対し、再開後の09年6月1節目は大西源喜の1:49:8。2節目は山本隆幸の1:49:4(現エンジンのレコードタイム)。そして3節目は黒崎竜也の1:50:3であった。再開後の新エンジンとはいえ、勝ち時計1分49秒台はほぼ皆無、以前ほど「パワーがない」と選手も口を揃えた。

 最後に選手達のレースコースに対する印象だが、基本的に枠なり3対3の進入、ゆっくりとしたコース取りは以前と同じだが、両対岸の垂直に打たれた壁(堤防)により、周回を重ねる毎に返し波が残り、乗りづらくなると。また実際の1マークの振り幅は以前と変わっていないものの、内からのスタートはターンマークが振ってある印象に思えると話す。6月のこの時期、イン有利な水面のはずが、センター、アウトが効くようになったのも多少レースコース変更の影響がありそうだ。勝ち時計も以前と比べるとかなり遅い。上記に記したようにエンジンの力強さが落ちている感じと話す選手も多い。また重たさがあるのに乗りづらいと調整に苦労する選手も多く、難水面といわれる所以は変わっていない。

江戸川競艇場の水面特徴
2006年5月13日

 一級河川の中川にある江戸川競艇場。インの1着率が40%近くもあり全国でも有数の内有利の水面。河口に位置するため干満の差による流れや、風に影響されやすく『日本一の難水面』とも呼ばれている。満潮に向かっては上げ潮(2Mから1M方向へ)、干潮に向かっては下げ潮(1Mから2M方向へ)となるが、上げ潮のときに北風、下げ潮のときに南風が強く吹き、流れと風が正対すると大きな波やうねりが発生する。そのため水面への得手不得手も走りに大きく左右する。

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