負けても強かった。先日の当地新鋭リーグ戦での濱崎直矢である。当節、地元勢の多くがアシ負けに苦しんだ。出ないからスタート勝負…、小澤和也、川尻泰輔がFに散り、最終日の11Rでは向後龍一が勇み足。他選手もFを乱発しており、スタートがいきにくい情況に置かれていた。
それでも優勝戦、濱崎はコンマ05のトップスタートを決めて2コースからまくった。結果、差されて2着だったが、濱崎のアタマで舟券を買って人も納得できるレースだったと思う(筆者もそう。予想も舟券も外れた)。勝つためのレースをしたからである。これが普通のスタートで差しだったら特筆すべきことは何もないが、05のトップスタート、まくりに動いたところに多大な価値がある。プレッシャーをはねのける精神的な強さに、レーサーとしての天賦の才を感じさせる。中澤和志、須藤博倫、金田諭に次ぐ、埼玉第4の若手は濱崎で間違いない。今後の成長次第では、埼玉のエースになる可能性まで秘めている。