若手は全国一般戦で揉まれるべき
2008年9月3日

 競艇の各メディアでよく見聞きするであろう『地区スター候補』。正式には『地区スター育成対象選手』で、育成の目的は「売上低迷のおり、向上策としてスター選手の育成が急務とされている。しかしながらいきなり全国区のスター選手にいたるまでは段階を踏んでいくため、その前段階として「地区のスター」を育成する」とある。全国の競艇場が対象選手を指名するのだが、@原則としてA2〜B1級。A原則として登録5年以下の選手。B継続期間は最低でも1年。但し、やむを得ず変更も可。C対象選手がA1級となった場合は、対象外となるため新たな選手を指名。D指名された選手は、原則としてA級が2節中1節、B級が3節中2節は、地元地区へのあっせんとする…、と要項に記されている。
 戸田のスター候補生の初代からの変遷は、金田諭→石塚久也→佐竹友樹→濱崎直矢→桐生順平。そして先月、大澤大夢が指名された。
 桐生→大澤の変更に、あれっ? と思った読者の方もいるだろう。桐生は昨秋、指名されたばかりだったが、故意ではない、うっかりミスの規定違反をしてしまったために除外され、新たに大澤が指名されたのである。大澤は「意識しないことはないけど、気合を入れると空回りするタイプなので、段々と上に上がっていければと思っています」と抱負を話してくれた。
 センスのある選手がスター候補になり、上記Dのように地元地区で頻繁に出走すれば、ファンは親近感が湧くだろうし、舟券も買いやすくなるから売り上げ向上につながるだろう。選手自身にもメリットがある。走り方も調整の仕方もある程度分かっている地元水面なら、成績が上がるし自信もつくはずだ。しかし…。
 育成目的にある『全国区のスター選手にいたるのまでの前段階』を手助けするのはとても結構なことだが、選手強化を主眼とするならば、大海に放り出すのも手ではないか。伸び盛りの時だからこそ、全国の様々な競艇場を回らせ、多種多様の中堅・ベテランと対戦させて経験を積ませた方が、将来の大きな糧になると思う。毎回同じ顔ぶれで、コースも簡単とれる新鋭・女子リーグ戦も似たような弊害がある。たとえ点数アップはできても、地力アップはそう容易くないのだ。とにかく、急造の内弁慶のスターでは、真の全国スターへの成長を妨げるような気がしてならない。
 新スター候補の大澤には、戸田を盛り上げる活躍をしてもらいたい反面、もっと外に出て、数年後により大きく成長して欲しいとも思う。他の若手も同様、全国の一般戦でもっともっと揉まれた方が地力アップにつながるのではないか。

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