本場に無料バスで通い、2連単の舟券を口頭で買い、一発勝負の進入にドキドキ…。十数年前、私が競艇を覚えた頃の話である。
時はだいぶ流れ、私の隣には、同年代と思しき容姿の戸田ピットマンFがいる。Fが競艇をやり始めた時にはS展示が当然のようにあり、舟券といえば3連単、ネット投票にも熱心である。
その若者は、道を極めたかのように競艇格言をよく述べるのだが、ある時、「今は、買うレースを選ぶ時代ですよ!」と言った。
家に居ながらインターネットで全国すべてのレースが無料で見られる、舟券を買える時代。一つの競艇場のレースを買い続けなくても、「これは『見』」と思ったら、他場で狙えるレースを探せばいいだけなのである。堅いのがお好みなら、住之江や津のレースを厳選して買えばいい。昨年の売り上げ1位の競艇場は蒲郡。インがソコソコ強く、いつみても買いやすいメンバー構成になっているのが特徴である。
穴がお好みなら!
最近の戸田競艇場は穴が頻発、高配当がよく出る。メンバー構成の傾向としては混戦が多く、一見堅そうでも多々波乱が起こり得るのが戸田なのだ。昨夏に完全な減音エンジンとなったのも影響しているのか、1コース単勝率は26%。一日平均で言うと、インが勝つのはたった3回。本命党泣かせ、記者泣かせではあるが、ここまでインが弱いとなれば一つの売りになるし、戸田が『選ばれる』競艇場になるかもしれない。
まくりが見たけりゃ、穴が取りたきゃ、全国一インが弱い戸田を覗いてくださいな。
平成20年埼玉支部優秀選手が決まり、埼玉選手権初日の昨年12月30日、イベントホールで表彰式が行われた。
■最優秀選手賞 平石和男
☆SG出場5回/準優出1回
☆G1出場13回/準優出4回・優出2回・優勝1回
☆一般戦V2
■敢闘選手賞 飯島昌弘
☆SG出場2回
☆G1出場5回/準優出3回・優出1回
☆一般戦V5(埼玉支部トップ)
須藤博倫
☆SG出場3回/準優出1回
☆G1出場12回/準優出5回
☆一般戦V1
■特別功労賞 飯島 誠
■新人優秀選手賞 該当者無し
昨年は埼玉支部全体が沈黙しっぱなしだった。特にSG・G1において活躍が皆無と言っていいほどだ。平石は関地区を勝ったまでは良かったが、故障、ペラ不振も重なり、「最近は絶不調」。須藤も「選ばれたのは光栄ですが、今年は良くなかったので…」と。飯島昌弘は年頭の唐津周年準優でFを切り、前半はサッパリだった。後半に稼いで一般戦V5としたが、期待が大きすぎるのか、物足りなさは否めない。
他にGI優出した選手は滝沢芳行(関地区)、白井友晴(常滑周年)だが、成績で平石、飯島昌弘、須藤を逆転するような決め手がなかった。受賞した三者は嬉しい反面、悔しさ、歯がゆさがあるに違いない。また、そう思ってもらわなければ困る。
平石は今年6月、戸田開催の「グラチャン制覇」と目標に、須藤は手が届きそうで届かない「記念制覇」を第一に掲げている。支部全体が活気づくには、彼ら記念選手が特別戦線で活躍してこそである。一層の奮起を期待したい。