【主な変更点の要約】
・待機行動のバックストレッチ側の航法において、低速航走しようとするモーターボートは速やかに 内線へ寄せること及び内線と平行に航走することを規定化し、時間稼ぎ的航法を規制する。
・低速航走時における右転舵を時間稼ぎ的航法として、待機行動違反とする。ただし、内線に寄せた とき及び外側のモーターボートが助走距離をとるための右転舵は除く。
・原則として、150メートル見透し線に先に達したモーターボートからコースの優先権が得られるものとする。
・スタート展示航走に出られなかったモーターボートが、本番レースで最アウトコースから進入しない場合は違反としていたが、この項目を削除する。・変更事項2において、前付け艇の落とした位置によっては違反とならない場合があります。
一般戦の多摩川では『待機行動のルール変更』は、見た目にはあまり変わっていない。90Mまで流れ込む深い進入は稀、ほとんどが120M前後からの楽な起こしになっている。今の選手は無茶なコース取りをしない。だが、「新しい進入ルールは本来のイン屋には有利」だとベテランのイン選手は言う。以前は当たり前だった100M起こしを覚悟すれば、前づけでインが取れるのだ。本当にインが有利なら、90Mでも取りに出るのがプロなのだが、いつの頃からか『水上の格闘技』は禁句となりイン進入も楽になってきた。枠なり進入が増え『枠が走る』と酷評されたSGレースが続いた。だが、減音型エンジン(チルト3度)を採用するレース場が増え、イン逃げ連発のシリーズは少なくなっている。
1月〜4月と5月〜7月の艇番別進入コース状況、進入コース別成績を比較すると微妙な変化がある。従来前づけに動くのはDE号艇が多かったが、5月以降はBC号艇のイン取りが増えてきた。@号艇のイン奪取率は僅かに減少も高い数字。A号艇は@号艇次第も僅かにイン奪取率は減った。無理なイン取りは少ないか。B〜E号艇のイン選手は中途半端なセンター進入ではなく、相場通りインを奪う傾向が見えてきた。
【コース別成績 09年1月〜4月】 【コース別成績 09年5月〜7月】
1着 2着 3着 1着 2着 3着
1コース 31.9 21.4 14.3 1コース 28.3 21.2 15.3
2コース 19.9 21.2 16.5 2コース 19.1 19.9 17.5
3コース 17.4 19.4 18.5 3コース 16.7 16.4 17.7
4コース 18.3 17.6 18.5 4コース 24.1 16.4 17.0
5コース 9.0 13.9 18.2 5コース 8.4 15.7 18.5
6コース 4.7 7.9 15.6 6コース 4.1 11.3 14.9
ルール変更でイン競りが増え、スロー勢の進入が早くなり、まくりが増える期待があった。だが、ほとんどの選手は折り合いを付けている。特に『インが弱い。握り合戦の水面』と言われている多摩川では無理なイン競りはない。当然、前づけでも100M手前の起こしになっている。だが、インは若干弱くなり単勝率は32%から28%に下がった。逆に4コースの単勝率が18%から24%に上昇、カドまくりが全盛になっている。4コース以外の単勝率は全て低下している。
8月から新エンジンが登場。夏から秋は南・南東の緩やかな風が吹くのか。ホームはやや追い風、まくりには不向きに思えても『センターが伸びる魔法の水面』である。イン逃げかカドまくりか、間隙をつきアウトの捲り差しも飛び込んでくる。技のデパート、多摩川競艇の09年後半はどんなレースになるのか楽しみにしたい。