関東地区選手権!狙えるエンジン
2007年1月21日

 関東地区選手権が迫ってきた。気温が低下、温水パイプも馴染みエンジン相場はハッキリしつつある。しかし、「エンジンは生き物」だということを忘れてはいけない。部品交換なしでも上昇することはよくある。分解、組み直しは発表されないが、転覆整備で様変わりはよくある。気温の低下でペラの優劣、当たりはずれも出ている。
 インが弱いことで知られる多摩川だが、数字の上では少しインの単勝率が高くなってきた。だが、毎日レースを見ていてインが強くなった感じは受けない。確かに最終日の後半レースはイン逃げが続くことがあるが、イン有利というよりも、優勝戦・選抜戦と得点上位選手が@号艇に組まれているのだ。出足・ターンアシがしっかりしてくるシリーズの終盤戦はインが舟券の中心と考えるのが普通だろう。
 それでも是政の水面はセンターが伸びる。ホーム追い風でもまくり、ツケマイが面白いように決まる。燃料の混合比が変わりインが伸び返すシーンは増えているが、中途半端に伸び返して曳き波にハマってゴンロクと大敗が増えたかもしれない。
 昨年8月の新エンジン登場から早くも半年経過している。温水パイプ装着以降のエンジン相場も変わりつつある。狙えるエンジン、準優には乗ってきそうな13基を選び出してみた。
12号機 初使用から上位級をキープ。1月松本勝也、松尾宣邦と優出。
16号機 2連対率が高いのは乗り手に恵まれも、常に伸びは上々。
17号機 12・1月と下降もV2の実績。ペラ・ギヤケースで上昇は必至か。
22号機 出過ぎてここ2節連続F。しかし、実戦のパワーは文句なし。
28号機 11月まで15%もシリンダー交換。大庭元明、潮田浩子が強力。
36号機 乗り手・ペラで差が極端も合えばターンアシは屈指の一基。
43号機 序盤のエース機候補。三品隆浩、日高逸子で11連勝と復活。
46号機 優出4ー優勝は11月上平真二。レースアシは上々。
51号機 勝率平凡も梶野学志が優出、毒島誠はVと調整合えば噴く。
53号機 杉山貴博がチルト3度で活躍。扱える選手が乗れば脅威。
56号機 田中豪がF後に直し、栢場優子が多摩川で初優出。
67号機 かどまつ賞で中野次郎が超抜。伸び型だがペラで出足も来る。
71号機 多摩川カップで福来剛が初優勝、1月小林茂幸も伸びる。
           【2007年1月21日 多摩川担当Z・I】

温水パイプ装着
2006年11月12日

 多摩川競艇場では11月23日の開催から凍結防止用の温水パイプが取り付けられる。8月に登場した現エンジンは12節、一年間の3分の1を消化したのだが、ここからエンジンの動きが変わってくる。「エンジンは生き物」なのである。大きな部品交換で噴く機があれば、乗った選手に恵まれ勝率が上がりいつの間にかそれが本物になることもある。
 取り敢えず序盤の動きが良かったエンジンを並べてみた。
12号機 初使用の杉田篤光が優出、10月関口智久が優勝。
13号機 優出3回、9月石渡鉄兵が準パーフェクト優勝。
16号機 榎幸司、郷原章平、中村有裕が優出。
17号機 優出4回。10月白石健、11月日高逸子が優勝。
22号機 優出3回、8月岡本慎治が優勝の出足型。
30号機 上島久男、野添貴裕、君島秀三が優出。
38号機 優出3回、9月松本勝也がバランス取れ優勝。
39号機 飯島昌弘、長岡茂一、織田猛が優出。
40号機 雨宮昌一、野澤大二、別府正幸で優出。
43号機 初使用から4連続優出。序盤はエース機候補。
46号機 山本浩輔、山川美由紀、飯島誠が優出。
53号機 優出3回、10月生方厚成が優勝。
62号機 初使用で角谷健吾が優勝。出足系統がいい。
 温水パイプが取り付けられるとエンジンのパワーは落ちる。しかし、今年のエンジンは「混合比が40:1」になったため従来よりも力がある。行きアシが強くインが伸び返している。徐々にインの単勝率が高くなっているのはその影響だろう。フライングは増えているが、今のところ混合比を変えようという話は出ていないようだ。
 素性のいいエンジンはリング1本換えずにパワーを維持している。「エース機候補」の筆頭だった43号機は10月以降イマイチだがまだ部品交換ゼロ。バラして組み換え、あるいは何かを換えてやればパワーが甦るだろう。パイプが付いた状態で関東地区選手権が待っている。これまで目立たなかったエンジンが数基噴き始めるのは例年のことである。11月末〜12月開催は「隠れエース機」を探してみよう。
                    【2006年11月12日 多摩川担当 Z・I】 

新エンジン4節が終わって
2006年9月4日

 新エンジンが登場して4節過ぎた。4節全てに出場したエンジンがあれば、2節しか使ってないのもある。一番多いのは3節使用のエンジンだが、選手(ペラ)でアシが極端に変わっている。
 12号機は杉田篤光、沖口幸栄で抜群の動きも久保隆は伸びに偏り実戦で弱かった。16号機は榎幸司が優出も渡三紀は3連対なし。榎が「抜群の伸び」だったが、渡りは完全に「伸び負け」していた。22号機は乗り手に恵まれている。大西源喜が伸び型、岡本慎治は出足型の調整で優勝、角ひとみはバランスのとれたアシで優出。33号機は芦澤望が優出、吉本正昭は1勝のみ、奥田誠が多摩川初出場で優出、出足系統がいい。36号機は金田論、新田智彰、川口貴久と乗っているが優出には届かない。しかし、行きアシは目立つ。38号機は鈴木博が優出もアシ自体は平凡。だが、次の松本勝也で抜群級に仕上がっている。43号機は橋本久和、金子猛志、寺田千恵と3連続優出、寺田が優勝した。寺田は「伸び型で出足も強力」と太鼓判。46号機は荻野裕介が選抜回り。山本浩輔が行きアシ強烈、山川美由紀は回りアシ上々で2連続準優勝。49号機は飯山泰で優出、青木孝司は平凡、中尾誠が優出も出足一本。53号機は柳田英明が優出、浅野由将が選抜をまくって勝った。伸びはいい。59号機で道見数成が4勝、新城京也は2勝、行きアシだけはいい。69号機は渡辺史之で力のあるレース、山本寛久が準優勝。71号機は川名稔が優出、定野久恵のアシも上位級。ただ、二人ともペラは抜群。
 混合比が40:1になったことでパワーが増している。行きアシがよくなりフライングも毎節出ている。平成8年9月に30:1から40:1に変えフライング多発、平成9年4月に35:1にして、9年11月には30:1に戻っている。それ以来の変更だが、オイルの値段とフライング返還の比較だ。レースを見るほうにとっては行きアシ、ターンアシのいいエンジンが面白い。しかし、一日に何度もFを見せられては買う意欲がそがれる。燃料は競走会の負担。F事故に対して施行者・施設会社がどう出るか。優勝戦でFが出れば真剣に論議されるようになるかもしれない。

舟券の狙いどころ
2006年8月31日

 ◎〇×▲注‥と六つの印を付けている。出張では早くからピット担当・本社担当とやってきたが、多摩川のデスク・ピット担当が長かった。昭和51年入社、多摩川の本社予想を付け始めたのは平成3年10月、新エンジンに変わったシリーズからだった。
 ファンの頃から穴ばかり狙っていたから、最初は本命サイドの予想を付けるのに悩んだ。インかカドまくりか、エンジンの機歴か前日の気配か。腕重視なら大怪我はないのだが、6人の名前を見ると飛び出しそうな選手の顔が浮かんでくるー「これでは穴予想じゃないか」と打ち消し、格上のイン選手に◎を付けていた。
 86年のインの単勝率は35%、実は江戸川よりも強かった。97年に29%になり、99年は25%、それが06年には23%になっている。腕とインには頼れないのが今の多摩川。選手間でも「多摩川は握り水面」と言われている。毒島誠が多摩川に初めて来る時、師匠の江口に「一節間、全部握って回って来い」と厳命された。江口は「成績よりもレース内容が大事な時期です」とターンスピードを磨かせようとした。そして、アウトから握って回っていると内の艇の動きが見えるようになる。
 ◎は消極的な印ではいけない。朝のレースが連複だった頃「2着には来るだろう」と差し選手、追い上げの巧い選手に◎を付ける傾向があったが、レース展開を読んでいるとは言えないと思う。6選手を見たとき@号艇はインで持つアシがあるか、スタートはどうかと考える。A号艇は差しが8割、曳き波を越えるアシが問題だ。B号艇はカド受け、自力のまくりか、まくり差しなのか。C号艇はカド、ダッシュのスタートは。そしてスタートしてどれだけ伸びそうなのか。D号艇には臨機応変なハンドルが要求される。E号艇はまず、前づけに動くタイプかどうか。それからエンジンとスタート力である。
 6艇の比較、支部、ペラグループも少しは考慮する。1・2コースが同支部・グループなら2コースはまくりよりも差しになることが多い。ただ、連携プレーをやろうと思っても決まらないのが水の上の競艇である。前日予想である。最終レースまで見ていてから印を付けている訳でもない。「明日は整備するだろう。大きな部品の換え時かも」とヤマを張ることもある。ただ、競艇記者(特に専門紙)には一番人気を外したくない気持ちが強い。隠し味は「×」である。関東の専門紙ルールは×〜◎で当り、これで中穴を当てようとしているのだ。

狙いはまくり差し
2006年8月29日

 多摩川のインの弱さは24レース場屈指、琵琶湖と双璧のようだ。8月の新エンジン登場から、混合比がこれまでの30:1から40:1になり「力がある。インからでも伸び返す」という選手もいるが、平場ではセンター優位は変わっていない。いいエンジンは「落としても出ていく」というパワー、スリット前後の行きアシがよくなった。その代わりフライングが増えている気がするが、実戦アシを見極める面白さもある。
 昨年5月の新基準ペラから「曳き波が越えられない」とまくり差しが流れるシーンが目立っていた。だが、混合比の変更でまくり差しはスムーズになった。ペラではなく、エンジンの力で曳き波を越えている。まくり差しの1着が一日に8本という日もある。
 まくり差しにも何通りかある。誰かが仕掛けてインが抵抗、そこをまくり差し。内の艇が捲って出たとこをスピード持ってまくり差し。スリットから伸び切ってインが握るのを見てのまくり差し。カド受け3コースが仕掛けカド4コースがまくり差しはよくあるパターンだが、そこを5・6コースが角度鋭くまくり差しもよく見られるようになった。
 多摩川は広くて静かな水面、二段のツケマイが華だったが、舟券を取る(プラスにする)には『まくり差し』を狙わなくては収支が合わない。特に5・6コースが1着に来れば高配当、2・3着には絡んでくる傾向が強い。3連単が舟券を難しくしてしまったが、2連単の時代に戻ってまず1着を取る選手を見つけることである。エンジン、選手のスタート力・ターンスピード、それから進入。
 シリーズの序盤は荒れ相場、点数を買っても大丈夫。3点BOX、流しの組み合わせでもいい。中盤は人気が偏る傾向。3・4コースがまくり、ツケマイを決めての相手探しか。得点日、最終日はインが強くなりかける。格上のインには逆らえない。2・3着探しのレースが幾つかある。ここ1年数ヶ月、インの優勝は5割、これは全国的に見れば弱いのだろう。優勝戦の決まり手は、イン逃げ以外ではまくり・ツケマイよりもまくり差しが目立っている。狙って穴は取れるものではないが、エンジン相場が不安定なら、試運転・朝練習に宝物があるかも。

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