温水パイプが付いた多摩川競艇は、エンジン相場に若干の変化が出てきた。パワーダウンでまくり差しが減少、イン逃げと差しが増えている。ただ、「10〜11月頃からペラがかなり変わっている」と選手が言っている。『衣替え』が巧くいった選手はエンジンのパワーを引き出しているが、乗り遅れると50%のエンジンでも力がないレースになっている。
温水パイプに馴染むには2、3節使わないといけないようだ。最近、開催の少ない多摩川は前回使ったのが10月というエンジンもある。年末の多摩川カップ、正月のかどまつ賞で上位級のエンジンがどうなるか、12月11日からの開催前には50%以上が3基(11号機、17号機、64号機)、40%台は12基ある。
そろそろ中間整備が入る時期だ。中古のシリンダーケース、クランクシャフトも入り始めたようだ。例年、パイプが付いて良くなるエンジンも数基出る。11月に優勝した高橋英之が乗った33号機はその典型かも知れない。試運転に良く出てくる選手は仕事をしている。調整を色々試しているし、三枚のペラを有効に使っている。レースの合間にはスタート練習もある。本場でレースを見ているファンには買う材料がいっぱいある。
【現エンジンの優勝】
8月12日 丸岡 正典@22(逃げ)
8月19日 作間 章@23(逃げ)
8月26日 平尾 崇典B10(捲り)
9月 2日 秋山 直之@27(逃げ)
9月11日 松本 勝也C12(差し)
9月24日 村田 修次C08(捲り)
9月30日 山谷 央C08(捲り)
10月19日 木村 光宏C08(捲差)
10月28日 吉原美穂子E18(恵れ)
11月27日 高橋 英之@14(逃げ)
インが弱いことで有名な多摩川だが、優勝戦でも@号艇はポールポジションになっていない。インと4コースが互角の戦いである。ただ、温水パイプがエンジンに与える影響がこれからどうなるか。チルト高めの調整も一頃に比べると増えてきた。スター候補・長田頼宗がA1級になり卒業、次の候補はアッと驚く人選になりそうだ。