温水パイプ装着、機相場は
2006年11月15日

 多摩川競艇場では11月23日の開催から『温水パイプ』が装着される。例年のことなのだが、ここからエンジン相場に変化が現れる。「早起きは三文の得」ではないが、開門と同時に始まる朝練習で行きアシを確認、レースの合間のスタート練習・試運転でもう一度行きアシを見て、合わせでターンアシを見れば変化が少しは分かる。「少しは」というのは、新ペラのテストをしているケースもあるからである。
 今まで行ったレース場で「早朝練習」、「試運転」を見ているファンが多かったのはナイターの蒲郡だった。住之江は開門時間前に始まっていたから予想屋さんが真剣にチェックしていた。ナイター期間はどうだったのだろう。ただ、練習を鵜呑みにするのは危険である。前検練習でも飛び出した選手はほとんどフライング、それも一艇身以上切っているのが普通だ。スリット手前からスタート後の40Mまでのアシ色を見ることにしている。イン選手の場合は起し位置、スリットまでのスムーズさが大事だ。
 レースの合間のスタート練習は、本番と同じメンバーのことが多い。アシの比較はしやすい。ただ、惚れ込むと痛い目にあうことがある。伸び一本の「試運転番長」はいつの節にも存在する。選手は『バランスのとれたアシ』と表現する。行きアシ・伸び・ターンアシで三拍子揃ってくるのだ。最近(ここ10年ほど)の競艇では乗りやすさが追求され、ターン後のアシに比重がかかってきた。
 昨年5月の新基準ペラ登場からレース形態は変わっている。SGレースの選手相場も大きく変わろうとしている。逃げるか、まくるかのレースよりも、誰がまくり差しの態形になるかを探すことが多くなった。まくり差しにはエンジンの力が必要になる。曳き波に強いエンジンは、まくられてもズルッと下がらない。「5p曳き波に入れられるとダメ」なエンジンがあれば、「少々入れられても、そこから出ていく」エンジンもある。ペラも重要だが、エンジン本体のパワーがもっと大きい。11月下旬から来年4月下旬までは温水パイプが付いた状態、早く変化を見定めたい。
        【2006年11月15日 多摩川担当Z・I】

強風下で日高まくり差しV
2006年11月7日

 11月7日、第13回神奈川新聞社賞優勝戦は西の風10m、波高8pと白波が立つ寸前の水面。安定板が付いたレースになった。
@重野 哲之(静岡)
A梶野 学志(東京)
B日高 逸子(福岡)
C岡    孝(徳島)
D瀬尾 達也(徳島)
E山本 隆幸(兵庫)
 進入は枠なり4対2。スリットはイン重野とカド受け岡。しかし、日高が岡の内から伸び返した。イン重野が先マイ、そこを鋭く日高がまくり差しに入った。2マーク日高が先マイ、ホーム内をついた瀬尾を振り切って優勝を決めた。日高は05年10月福岡以来の優勝だが、通算V51になった。多摩川では平成元年に女子王座決定戦の完全優勝があるが、是政6度目の優勝である。

第44回スポーツニッポン賞は関口逃走
2006年10月30日

 五日目にファーストチャレンジ→ファイナルチャレンジを試みたシリーズだったが、優勝したのは予選トップ通過、五日目も連勝で優勝戦@号艇を奪った関口智久(埼玉・83期)だった。このシリーズはA1級勝負で登場、初日からトップスタートを連発しグイグイ勝率を上げた。結局11戦して8勝、文句なしにA1級と通算5度目の優勝を決めたが、多摩川は昨年に続き連続Vとなった。これで来年の関東地区選手権に呼ばれるのは間違いなしである。フライング事故で足踏みしていたが、来年が楽しみになってきた。
 10月30日 12レース(優勝戦)
1着@関口 智久(埼玉)@06
2着A吉田 徳夫(愛知)B10
3着B君島 秀三(滋賀)C05
4着C織田  猛(佐賀)D08
5着D加木  郁(山口)E06
6着E井川 正人(長崎)A12
 井川が前づけに動き162・345、3対3の進入になった。イン関口が伸び返して先制。吉田は君島を牽制しつつまくり差しで2着キープ。

 このシリーズは期末、A1級・A2級勝負が多かったが、B1級勝負もいた。土性雅也は3連対率20%に挑戦、結局最終日に2走して1本取ればいい位置までこぎつけ成功した。おそらく本人にとっては忘れられないシリーズ、もっと強くなった数年後にこの節の事を話してみたい気もする。

第1回WEB競艇TV杯 優勝は生方!
2006年10月20日

 10月18日の宮島52周年記念は原田幸哉がイン逃げで優勝。19日ナイターの桐生50周年記念は江口晃生が差して優勝した。共に賞金王決定戦出場を目標に気合、この後のダービー、チャレンジカップは更に激しいレースになるだろう。夜10時過ぎに江口の携帯を鳴らすと「ありがとうございます」と弾んだ声が聞こえてきた。「たまたまですよ」と展開を強調していたが、このシリーズは予選で際どくフライングを免れるツキもあった。優勝戦は大方の予想を裏切る?カド4コースを選択、エンジン調整もそのようにしていたのだろう。『桐生の江口はまくり屋』なのだ。気持ちはまくり、結果が差しになったのだ。電話の最後に「群馬勢を一人でも多くお願いします」と来年の関東地区選手権の配分を気にしていた。A1級を決めた後輩たちに記念の場を与え自信をつけさせようと考えているのだ。
 10月20日 第1回WEB競艇TV杯 優勝戦(12R)
@池田 浩二(愛知)
A中村 有裕(滋賀)
B辻  栄蔵(広島)
C別府 正幸(福岡)
D生方 厚成(群馬)
E飯島  誠(埼玉)
 SG覇者3人に人気は集中した。スタート展示は1234/56。しかし、本番の進入が大きく変わった。中村が2コースを取ろうとしない、カド狙いに出た。自力でまくるためのコース取りだ。134/256になった。イン池田がコンマ11、カド中村はコンマ10、ダッシュのぶん中村が伸びてまくって出るが、池田も抵抗する。ガラッと空いた1マーク、生方がまくり差しで突き抜けた。2連単で11890円、3連単のDABは42160円の大穴になった。
 生方は朝の公開インタビューで「登番は勝っています」と一番年長を強調していた。本番で中村がカドに来て「自分には一番いいカタチ。中村君、行ってくれと願っていました」と。生方はこの優勝でA1級勝率に乗った。多摩川は実績あるなら、来春の関東地区選手権にも呼ばれるだろう。

秋本番、タイムアタックの季節
2006年10月17日

 多摩川競艇場では10月15日の開催から冬時間になった。1レースのスタート展示が10時45分、1レース発売開始は10時50分。最終12レース発売締め切りが16時05分である。最終レースが20分早くなったのだが仕事が少し遅くなると真っ暗、まだビールは飲めないのだから少し辛い。ただ、夕陽がきれいになる時期。是政の上流、健康センター付近のサイクリングロードには、カメラを構え夕陽と富士山を狙っている人が増えてくる。
 05年5月の新基準ペラから3周タイムは遅くなっている。多摩川のコースレコードは01年1月15日に今坂勝広が記録した1分42秒7、これは24レース場のなかでもトップである。しかし、05年5月以降は人身事故防止のためペラが厚くなりスピードは下降している。05年7月に大場敏が1分46秒5、06年1月に村田修次が1分46秒4、2月に柴田光が1分46秒3と小刻みに出しているが、他場のように44秒台はでていない。しかし、現在のエンジンならタイムが出る可能性はある。燃料の混合比が変わったことで、パワーが増している。3周回、握って回る選手が抜群機と組めばアッと驚く時計が出そうな雰囲気なのだ。
 新基準ペラの最高タイムは05年10月30日、蒲郡(ナイター)で村田修次が記録した1分44秒5。昼間のレースでは06年1月4日に住之江で田中信一郎が1分44秒8を叩き出している。気温の低下でタイムが出始めた。10月14日の宮島周年記念で原田幸哉が1分45秒4、16日の桐生周年記念では濱野谷憲吾が1分45秒9と新基準ペラでのレース場最高タイムを更新している。
 『高速水面』と言われている多摩川は広くて静かなプールだが、少し波があった方がターンはしやすいと言われている。今の季節の気温は20度〜23度、これが15度あたりに下がってくれば45秒台は出るはずだ。第1回WEB競艇TV杯の中村有裕、池田浩二、辻栄蔵は必死で乗っているがエンジン本体が平凡。現エンジンになった8月以降の最高タイムは9月17日に大場敏が出した1分46秒4、気候を考えればまだまだ速いタイムが望める。10月25日からのスポニチ賞に君島秀三、高沖健太がいる。そして11月3日からの神奈川新聞社賞には重野哲之が控えている。温水パイプがつくのは11月末の開催から、その前にタイムアタックだ。

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