10月10日多摩川競艇 12R(優勝戦)
@野澤 大二(東京)
A赤岩 善生(愛知)
B白石 健(大阪)
C玄馬 徹(岡山)
D柴田 光(群馬)
E鳥飼 眞(福岡)
スタート展示は12346/5。本番は123/465になった。インの野澤が立ち遅れた。2コース赤岩がまくったが、スリット攻めていた白石がスピード満点のまくり差し。バックは白石が赤岩を内から合わせ、2マーク突進の玄馬を沈めるフルターンで多摩川5度目の優勝である。
白石は大阪に住んでいるが兵庫支部。「昨日、金子さんが下関で記念初優勝、刺激になりました」と。白石はコンマ07だったが「早いと思った。このままだとフライング、体を立てて遅らせました」と言う。多摩川の泡ラインが好きだったが、なくても時計はバッチリである。遠征の水面でV5、まだ29歳の若さなら多摩川でもっと優勝を重ねそうだ。
10月3日の多摩川競艇は「オータムカップ」の優勝戦が行われた。
@石川 真二(愛知)
A野添 貴裕(大阪)
B吉原 聖人(広島)
C岩崎 正哉(福岡)
D深井 利寿(滋賀)
E長岡 茂一(東京)
スタート練習は126/453。本番は162/345になった。イン石川がコンマ06のトップスタート、誰にもまくる隙を与えず逃げ切った。石川はこれで今年V7である。そして、多摩川では通算優出5−優勝5になった。エンジンに関しては強気の発言はなかったが、インを占めた時のスタートはさすがだった。予選の平均スタートがコンマ20、トップスタートは一度もなかったが、ここ一番で取って置きの速攻劇だ。
2着にはスムーズにまくり差しに入った吉原。「ペラは良くない。でも、ここ何年かのなかで一番出ている」と言う通りのアシだった。バック線は四艇が混戦状態だったが、2マーク力強く抜け出した。13号機を次に手にするのは誰か。
9月22日、競技部入口で待っているファンは意外と少ない。まあ平日だから、これが普通なのかも。ピットに向かうと柾田敏行がいる。練習に来ているのだ。「久しぶり、大丈夫」と声をかけると、「この前来たときは痛みがあった。今日は大丈夫」と入澤、芦澤、前沢と練習している。それでも「朝、起きたときがまだダメ」と言っている。復帰を目指して練習だが、後輩たちに「ペラはヤマト、ナカシマ? 回転はどれぐらいにしている。減音、標準はどう変えている」と質問。気持ちは実戦、早く水面に戻ろうとしている。
関係者の一人が「児玉冨美雄が亡くなりましたよ」と。「去年の多摩川で怪我、その時レントゲンを撮って病気が判明したんだけどね」と。19期最後の現役選手だった。同期には井上利明さんがいる。多摩川周年で活躍した田中康宣も亡くなっている。
GVのサントリーカップ、ドリーム戦はファン投票で決まった。SG並にドリームメンバーは初日一回乗り、整備時間があるだけにレースの合間のスタート練習、試運転には注意したい。
58歳の大ベテラン上島久男が大外まくり連発で連勝した。チルト3度、専用アジャスターを持ち出し展示タイムから千切っている。スリット手前からグイと伸び、1マークもスピードを持って回っている。通算F84本は凄いが、不思議と多摩川では切っていない。際どいのはあっても残っているのだ。今期はまだFゼロ、強気のレースは中盤戦も続くだろう。
豪快なアウト戦で思い出したのが小畑建策、周年でピンラッシュを見せたこともあったが、優勝戦は敗れ「結局、出足がなかった」と言った。しかし、上島には度胸満点のスタートがある。『トップスタート』は奥さんの指示だという噂がある。多摩川では買うなら1着である。2着を走ることは少ない。特にチルト3度は競りに弱い面がある。
ダブル優勝tvkカップ最終日。11レースの男子優勝戦は、インをキープした松本勝也がコンマ09のトップスタートを決め逃げた。「尼よりも好き」な多摩川の水面である。多摩川の記念レース出場にアピールした勝ち方だった。女子の12レース優勝戦は寺田千恵が2コースから強ツケマイ、スピード満点の旋回で差しの山川美由紀は届かなかった。
女子優勝戦の鵜飼菜穂子は裸のイン、ひとり深い進入だった。それでもスタートは決めた。ターンスピードの差は本人も自覚しているはずだ。インを占めて存在を見せた。ベテランばかりのシリーズでも、昭和の時代のようにはいかなかったが健闘した。
個性が必要だと思う。枠なり進入ばかりでは推理の楽しみがない。以前は『次位不動』という見出しもあった。「2着は鈴木民男で固い」ことがあった。大怪我で選手生命を絶たれたが、差してバック最内を伸び2着ばかり並べる選手だった。あるとき「どうしてインに入らないのですか」と聞くと「記念でインを取ってみた。インからトップスタート、逃げたはずだったがバック線で顔を上げると皆に差されていた。インの素質がないと思ってセンター〜アウト屋に徹した」と。 かと思えば「弟、妹が何人もいた。生活のためにすぐイン選手になった」と語っていたのは井芹巧だった。
暗くなった多摩川の水面。いよいよMB記念優勝戦である。