10Rの角谷健吾は逃げた。だが、11Rの村田修次は沈められた。若女井の前づけで進入が深くなったのもあるが、正味のパワーが足りなかった。「田中が消えたら小粒な優勝戦ですね」と記者席の会話だが、皆「さあ用意しよう」と田中本命の原稿を作り始めている。12Rで田中豪が逃げた。見出し、原稿も田中本命で出来つつある。「優勝だけを狙います」と場内インタビューが聞こえてくる。「これは頂き」と挿入。
ところが、番組からの直通電話が鳴った。嫌な予感。「田中選手は待機行動違反です」でガックリ。原稿はすべてパー、パソコンに打ってある文字をすべて綺麗に消し始めることになった。
20日 12レース優勝戦
@角谷 健吾(神奈川)
A飯島 昌弘(茨城)
B川名 稔(千葉)
C雨宮 昌一(神奈川)
D柳田 英明(東京)
E天野 晶夫(愛知)
角谷、飯島の仕上がりがいい。インで角谷だが、飯島の中間速は素晴らしい。伏兵も揃っている。アシで見劣りの天野も当地44周年記念で優出(F)の実績、何かやってくれるかも。
朝、九州報知の久米記者に携帯。「大村に来てますよ。今から風呂、夕べの酒を抜かなきゃ」とのんびりしている。「中止ですよ。大村、唐津、下関は。今は雨だけだけど強くなるみたいですよ」と言っている。オフィシャルにはまだ唐津の中止は出ていないが間違いないだろう。今日は多摩川、江戸川にナイターの住之江だけ、「電話投票が増えるよ」と関係者と話しているとレジャーチャンネルからも連絡が入ってきたようだ。
得点争いの四日目、関東勢が多いのだが遠慮なしのレースが続いている。四日目連勝の田中豪が1位で通過、準優勝てば優勝戦は@号艇だ。
8月19日 10レース
@角谷 健吾(神奈川)
A一瀬 明(神奈川)
B雨宮 昌一(神奈川)
C渡辺 史之(群馬)
D増田 進(東京)
E宮内由紀英(東京)
11レース
@村田 修次(東京)
A飯島 昌弘(茨城・埼玉支部)
B伯母 芳恒(神奈川)
C柳田 英明(東京)
D大西 英一(東京)
E若女井 正(神奈川)
12レース
@田中 豪(東京)
A川名 稔(千葉)
B長田 頼宗(神奈川)
C本吉 正樹(東京)
D天野 晶夫(愛知)
E木村 浩士(群馬)
朝は雨。開門の「お出迎え」に並んでいる田中豪が「嫌だな。今節は最終日まで天気がよくないみたいですね」と。村田修次はMB記念の壮行会が来節予定されている。関係者との打ち合わせも忙しい。デビューの頃は「見た感じはボーっとしてますけど、本人はしっかりしています」と言っていたのだが、本当に記念レーサーらしくなってきた。
レースは難しい。まだアシが不安定、前半と後半で気配が変わってしまう。特に伸びだけで勝った場合は、後半で出足系統の弱さを暴露し大敗の危険がある。一度使ったエンジンと初おろし。初日は初おろしが7勝、見た目でも初おろしに方がいいように感じる。だが、新品の部品がどんどん換わっている。様変わりがあってもおかしくない。特に事故で大幅に内部整備をしたエンジンは狙いかもしれない。
大郷葉月杯の前検日。朝からテレビは東京、横浜の停電騒ぎを伝えている。会社に出てからレース場入り、今日は入待ちのファンが多い。山口雅司さんは奥さんの運転でやってきた。犬を抱いてファンに見せている。「高速はダメ、下を走ってきたよ」と話しながら歩き始めると村田修次、田中豪が迎えに出てくる。「遅れるかもと電話があったのは高橋二朗だけ」といっているが、10人くらい来ていない。川名稔が心配そうに待っていると高橋が到着。11時半になって最後の二人、若女井正、天野晶夫が来て出場選手が揃った。
若女井が「静岡(熱海)から神奈川に戻りました。出走表は神奈川でお願いします」と。「熱海に15年住んだかな」と。小林旭に「釣りはどうですか」と聞くと、「F休みに鮎釣りに行こうと思ったが、引退してからゆっくり釣るよ」と。「もうダメ。スピードについていけない。まあ、いい思いをした時代もあるしね」と62歳のベテランはマイペースだ。
試運転、展示航走、前検練習とペラ・チルトは変わっている。練習を鵜呑みに出来ないのは例年のことだ。暑い季節の新エンジン、気配も日替わりだろうが、とりあえず田中豪は合格点がつく。
新エンジンが8月1節目に登場した。今回から混合比が40:1になっている。オイルの値上がりが理由で30:1から変わったのだが、前検練習から「行きアシがよすぎる。減音の感じじゃない」という声が出た。序盤はまくり差しが多く、中盤でイン逃げの連発。多摩川らしく決まり手は多彩だったが、その日の風向き、気温、湿度、気圧でエンジンはガラッと動きが変わっている。
今節使ったエンジンは航走タイムがよくないほうからである。2節目に残りのエンジンと、1節目の成績がよくなかった方から登場するのが例年のパターン。だから、一節目の優出エンジンは出てこないと思っておいた方がいいかも。
敗者戦回りで動いていたのが61号機(深水慎一郎)、45号機(牧原崇)、48号機(田中節男)、67号機(金子拓矢)、この4基が出てきたら注目したい。しかし、ペラが重要なここ数年の競艇である。朝練習、試運転としっかり自分の目でアシを確かめたい。