雨が降っている。バスに乗るとお爺さんたちが競艇の話をしている。「多摩川に始めてきたのは昭和29年」と初開催の頃のことも言っている。「砂利穴だったんだ。ハヤがいた」とも。そのうち「今月は幾ら負けている」と自慢?が始まったが、「多摩川は銀行がないからいい。戸田はカードでつい下ろしてしまう」等と。あと、多摩川のいいところは「スタンドが南向き。冬場の戸田は寒い」と。「江戸川周年が始まる」と声がするが、「あそこには行かない。インが強い」と是政通い52年のお話だった。
場内に入ると100円カレーの準備をしている。1000食あるが何レースまでに完売か。開門と同時に並ぼうとしている人もいる。2レースが終わって行ってみると「あと50食ですね」と関係者。予想以上に売れている。今年も食べるのは遠慮してしまった。
インが回る感じ、雨の影響も出ているのか。それ以上に、まくり差し失敗が今節は目に付く。プロペラの関係、厚いとターンで流れてしまう。
早くも得点である。1位山口哲治(長崎)、2位一瀬明(神奈川)、3位佐野隆仁(大阪)、4位木内敏幸(静岡)、5位谷本幸司(愛知)、6位平野勇志(愛知)、7位澤大介(三重)、8位永滝芳行(埼玉)、9位小川晃司(福岡)になっている。三日目の二回乗りが勝負、天候がよくなれば捲り合戦の復活だろう。
朝のサイクリングロードは混雑、トレーニングをしている人が目立つ。開門前の北門も並んでいる人がいつもより少し多い。今日の競艇はここだけなのである。
今、突然の停電。1分で回復したが、パソコンは無事、記者席の蛍光灯も1本だけ明るかった。こういう設定になっているのだろう。記者歴30年、初めての体験だった。
ウエイキーカップのファン投票がまとまった。
7月12日(水)12レース ウエイキードリーム戦
@濱野谷憲吾(東京)
A辻 栄蔵(広島)
B日高 逸子(福岡)
C上瀧 和則(佐賀)
D太田 和美(奈良)
E菊地 孝平(静岡)
7月13日(木)12レース 是政ドリーム戦
@今垣光太郎(石川)
A田中信一郎(大阪)
B瓜生 正義(福岡)
C原田 幸哉(愛知)
D中野 次郎(東京)
E中澤 和志(宮城)
予備は江口晃生、濱村美鹿子になっている。有効投票者2,525名、濱野谷が2,121票とダントツの1位だった。12位の菊地が1,098票、予備の江口、濱村も1,000票を超えた。さあ、準備の開始だ。ウエイキーカップも徐々に盛り上がりを見せ始めるだろう。
昨日の多摩川競艇優勝戦で植木の単勝、複勝に20万円、50万円と入れた人がいる。
6月6日12レース単勝の売上げは
@号艇2128票、A号艇61票、B号艇43票、C号艇39票、D号艇71票、E号艇26票だった。
複勝は@号艇5010票、A号艇18票、B号艇24票、C号艇21票、D号艇26票、E号艇12票である。
単勝C4550円 複勝C9110円 D7370円になった。
単勝、複勝は1レースで1万円から3万円程度の売上げ、時には数千円のこともある。おそらく電話投票だろうが、今は自動発券機で買える。窓口の時代には万札を出すと「止めて置きなさい」とお姉さんに言われ、千円札を出すと、周囲の人に「3百円までにしろ」と注意されたものである。
レースが終わって「オッ」と記者席でも気がつき票数を調べたのだが、午後8時過ぎに『ひまひまデータ』を見るとアップされ、票数を逆算して出していた。ひまひま君に「ゴメイサン」とメールを送ると、「次号のマクールでその方法を書きました」と返事が来た。文系の記者には無理である。
さて、今日はもう前検日である。四日間開催、多摩川競艇バースデイカップである。多摩川競艇の初開催は昭和29年6月9日、青梅市営府中競艇で始まっている。当時は吉祥寺、武蔵境でチンドン屋を使って宣伝したらしい。
12レース多摩川選抜戦
@一瀬 明(神奈川)
A山口哲治(長崎)
B佐野隆仁(大阪)
C武田光史(福井)
D小川晃司(福岡)
E黒崎竜也(三重)
佐野はイン屋、小川がアウト選手。黒崎はB2級で抜擢された。目玉選手不在?で番組のY氏も話題作りを考えたか。
多摩川恒例の名人戦メンバーは10レースに組まれている。
@國浦英徳、A中村義雄、B柴田哲男、C加藤峻二、D平野勇志、E吉田稔。オールドファンが展開推理を楽しみそうだ。
朝、北門に着くと「8レースD号艇、11レースA号艇は欠場」の張り紙。「11レースA号艇は須藤」である。最終日の頭は固いのは正木と須藤だった。これでは本命党は困るだろう。競走会関係者に会うと「風邪みたいですね。熱が出てドクターストップ。本人は事故点20は痛いですよ。走りたいはずです」と。
6レース頃になると入場者が多い気がする。途中から来てナイターの桐生優勝戦が目当てのファンが多いのか。優勝戦である。スタート展示でD号艇の作間がインに入った。トイレに行くと「インは作間か植木か」と話している。「植木が作間を入れるはずがない」と言っている声が多いようだ。
枠なり3対3になった。のぞいた2コース長谷川充が1マーク手前で落とし、3コース都築正治が握ったが、植木が張りに出た。御馳走様のまくり差しは池本輝明だった。作間章、近藤稔也も差している。池本ー作間の1・2着は決まり、道中で近藤が長谷川を退けた。456は11010円になった。
戸田の関係者が来ていた。元広報担当のA氏が「桐生の優勝戦も見ていきたい」というので、最終レースまで付き合うことにした。明日はもう前検、その準備をしながら暗くなった水面を見ている。そういえば、昨日で入社30年だった。桐生のメンバーを見ながら「市川は多摩川で完全優勝をしているよね」という。平成13年のMB記念だった。あれから多摩川で完全はない。52年間で34回のパーフェクトV、そのうち記念は21周年の彦坂郁雄とMB記念の市川なのである。日高逸子が女子王座でやっているが当時はGTではなかった。考えてみれば桐生には平成になって行っていない。
桐生優勝戦はどうなるのか。期待はムラシュウ、初優勝を買ってみるかな。
準優2個レース制である。朝練習前のピットに入ると、植木通彦がひとりプロペラ調整室で仕事に励んでいる。西山昇一に会った。「4月30日の桐生は気合が入っただろう」と言うと。「記者さんたちがA1級勝負と騒いでいたけど、僕はA1でも記念の配分はないですからね。B級じゃ仕事が減って困るけど、A2でもいいんです」と。「しかし、23期連続A1級だよ」と聞くと「そうですか。気にしてなかったです」と言いつつ「今日は頑張ります」と試運転の用意を始めた。
準優11レースはスタート展示が34152/6となった。これでは本番どうなるか予測がつかない。142/356になった。イン作間は握って飛んだ。都築、長谷川がまくり差し。2マーク先マイの都築に長谷川が突進して1着。やはり長谷川のエンジンは力がある。
準優12レースはスタート展示が1235/46。本番は123/456である。イン須藤がコンマ28、立ち遅れた。2コース植木はコンマ18、あっさり置き去りと思った。だが、須藤が伸び返している。1マーク、植木は渾身の強まくりの形になっていた。池本、近藤が展開をつき2・3着である。
6月6日 第17回日本MB選手会会長賞 優勝戦(12レース)
@植木 通彦(福岡)
A長谷川 充(群馬)
B都築 正治(愛知)
C池本 輝明(広島)
D作間 章(千葉)
E近藤 稔也(徳島)
本命は植木、仕方がない。だが、まくられるか、誰かが早いスタートを決めれば飛びついていなくなる危険もある。
安定しているのは作間だが、今節差し多用は気に入らない。機力なら長谷川、勝負度胸がどうか。カドで池本、一番気になる選手だ。都築はここ一番に疑問のアシ、近藤は大外でも2・3着になら食い込めるアシ色だ。
黙って植木の頭買いか、植木を3連単から消す買い方だろう。